WorldWide Sports Intersection 〜コーチ兼プレイヤーとして参加した特別なトレーニング〜

先日、アメリカからCOACH ボブが来日し、私はコーチ研修の一環として “コーチ兼プレイヤー” として、この特別なトレーニングに参加しました。海外に行かずして世界レベルの指導を肌で感じられる機会は、そう多くありません。ボブは、日本代表選手のワークアウトも担当する本物のスキルコーチ。そんな人物から、選手としてもコーチとしても指導を受けられる環境は、一生に何度出会えるかわからないほど貴重です。

そして何より感じたのは、挑戦した人だけにしか得られない学びが確かに存在するということ。
その価値は、行動した人にしか分からない。
そしてその学びを得にいく行動こそ、コーチという立場に立つ人間にとって“必要不可欠”だと強く思いました。


■ 選手として感じた圧倒的な“理由の深さ”

この日のトレーニングでは、フロートからのプルアップ、様々なフィニッシュのドリル、スクリーンDFを想定したシチュエーションワークなど、決して派手ではないけれど絶対に試合で活きる内容が続きました。

ただ、それらの練習を“どうこなしたか”よりも、ボブが示してくれた“なぜそれをやるのか”の深さが圧倒的で、そこに本質がありました。

例えば、ひとつの体の向き。一つの視線。ドリブルの質や、フィニッシュの選択肢の使い分け。
それら全てに理由があり、意味があり、背景があります。

「この角度の視線は、DFに“何を見ているのか”を誤認させるため」
「このフィニッシュは、状況によって相手の選択肢を削る手段になる」

そういった“説明の重さ”を聞きながら、選手として動くと、自分の技術が再構築される感覚がありました。
ただ真似をするのではなく、意図と目的を理解し、その意味を身体で受け止めながら動く時間は、まさに世界レベルの学びそのものでした。


■ コーチとして見た“本物の向き合い方”

今回のクリニックでは、私は自分が学びながら、同時に小中学生へ指導をしていく役割も担っていました。選手として吸収し、自分の中で理解したものを、すぐその場で子どもたちに伝える。この瞬間の連続が、コーチとしての成長を一気に加速させてくれた感覚があります。

今回改めて感じたのは、
「誰が伝えるか」も、スキルと同じくらい大事だということ。
声のかけ方、伝える順番、空気づくり、その一つひとつに経験がにじみ出ていて、指導の本質を間近で感じる時間で、ボブの選手への向き合い方は圧倒的でした。

クリニック後、個別でボブと話したときに言われた言葉が、今でもずっと胸の中で響いています。

「大学生やプロにはもうそこまでコーチはいらない。小学生、中学生のこの年代に“良いコーチ”が必要なんだ。お前の溢れ出るエナジーを伝えて、あなたがその良いコーチになってほしい。」

この言葉はコーチとしての覚悟を突きつけられたような感覚でした。
若手コーチとして、本物のスキルを肌で学び、本物のスキルを伝えられる立場でありたい。
だからこそ、こういった現場に積極的に飛び込んでいくことが必要だと強く思っているし、この環境があるこのチームに感謝をしています。


■ 挑戦した人にしか見えない景色がある

実際に現場に飛び込んで、汗を流し、動き、考え、失敗し、修正し、本物のコーチから直接指摘される。その一つひとつが、机上の知識では絶対に得られない重みのある経験になります。

改めて、学びは挑戦した人の前にだけ現れるということを確信しました。

だからこそ、若手に限らずもっと多くのコーチに、この空気を直接感じてほしい。
未熟な自分には似合わない言葉ですが、本物に触れた瞬間、自分が積み重ねるべきもの、大切にすべきものが一気に明確になるからです。


■ 最後に

実はボブのクリニックを学ぶのは3回目。

そのどれもが新たな刺激で、学びです。

コーチ兼プレイヤーとして参加させてくれたボブに心から感謝しています。
この経験を無駄にせず、未来あるこれからの選手たちに還元していきます。

Thank you, Coach Bob

世界レベルの指導と、私たちにとってかけがえのない時間をありがとうございました。

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