ブランディングから学んだ“自分らしいコーチング”とは
講師:井上 涼上馬氏
先日、若手コーチ研修の一環として「ブランディング戦略」をテーマにしたセミナーに参加しました。
参加者はバスケットボール関係者やトレーナーなど。講師の井上氏は、「ブランディングとは何か」を具体的な事例とともにお話しくださいました。

■ ブランディング=自分の価値をどう見せるか
井上さんが話していた中で特に印象に残ったのは、
「ブランドとは、他の人と違う“自分だけの価値”を見せること」
という言葉でした。
ビジネスの話ではありましたが、これはコーチングにも通じます。
同じ指導でも、「誰に」「どんな思いで」「どんな言葉で」伝えるかで選手の受け取り方は変わります。
“コーチとしてのブランド”を意識することが、信頼やリピート(=選手や保護者からの支持)につながるのだと感じました。
■ キャラを確立することの大切さ
井上さんは「キャラを確立しよう」とも話していました。
真面目キャラ、ハキハキキャラ、冷静キャラ――どんなキャラでもいい。
大事なのは、自分がどんなキャラで生きるのかを意識して行動すること。
これは中学生の選手にも伝えたいポイントです。
プレーでも人間関係でも、「自分はこういう人間だ」と自信を持って出せる選手は強い。
例えば、自分はシュートは苦手だけど、リバウンドなら誰にも負けない、ドリブルは上手くないかもしれないけど、声だけは誰よりも出すなど、
その“自分らしさ”がチームの中で輝くと、チーム全体も良くなっていきます。選手にも伝えようと思う印象に残る話でした。
■ 経験を重ねることで方向性が見えてくる
若いうちは、仕事や経験を“選ばずに”どんどん挑戦していく。
その中で、「やりたいこと」「できること」「好きなこと」が少しずつ見えてくる。
この言葉に、コーチとして深く共感しました。
私自身、若手コーチとして誰よりも多くの経験をさせてもらっているという自負があります。
スイスでの世界大会への帯同、海外選手へのレッスン、営業活動、HCとしての経験、アシスタントコーチ、スクールコーチ、出張クリニック、パーソナルレッスン…。
チームのおかげで、本当に様々な場面に立たせてもらっています。
その中で、自分の「得意なこと」「できること」「好きなこと」をどう活かしていくかは、まだ模索の途中です。
ですが、これらの経験は今しかできない一生の財産だと思っています。
そして、同じように選手たちにも、たくさんの経験を積んでほしい。
成功も失敗も含めて、そのすべてが自分の“力”になるから。
■ 人との関わり方とリスペクト
井上さんが話していた「リスペクトがない相手とは一緒に仕事はできない」という言葉。
これも印象に残りました。
どんなに実力があっても、相手を尊重する気持ちがなければ信頼関係は築けません。
チームでも同じです。
仲間をリスペクトする、相手の良さを認める。
それが強いチームの土台になると思います。
■ コーチとして今日からできること
今回のセミナーで感じたのは、
「立ち振る舞い・話し方・雰囲気」もすべてコーチングの一部だということ。
選手たちの前に立つとき、自分の姿勢や言葉がチームの空気を作ります。
まずは自分の“コーチとしてのキャラ”を明確にしていくことから始めたいと思います。
このような学びの機会をいただける環境に、心から感謝しています。
研修に参加させていただけるのは、日々チームを支えてくださっているスタッフの方々や保護者の皆さまのおかげです。
今回得た学びをしっかりと日々の指導に還元し、選手一人ひとりの成長につなげていきます。
引き続き、指導者として、人としても成長していけるよう努力していきます。
